せいらんにとっての音楽活動。
それは、 「誰だってやればできる 可能性への挑戦」です。
わたしたちの音楽は、治療教育・リハビリ効果・教育効果を求めてはいません。
一部の可能な人を対象にするのではなく、全員参加による“自然”を求めています。
楽譜通りの完璧な音楽ではなく、今、奏でている一粒一粒の音をただ純粋に楽しめるような…、
生き生きと血の通った音楽を目指しています。
最初は鼓笛隊から楽器演奏を取り入れ、次第にピアニカ・鈴・タンバリン・マリンバ・ティン
パニー・キーボード・ドラムなどを取り入れた、現在の音楽スタイルへと変遷していきました。
音楽指導法の開拓、能力的限界の克服、挫折からの再起を幾度も経験し、1988年 東京明治神宮
で開催された「第14回 全国心身障害者芸能コンクール 愛のステージ」では、最優秀賞を受賞す
るまでに成長しました。
以来、地元の群馬音楽センター、群馬県民会館(現ベイシアホール)、群馬県庁など群馬各地を
はじめ、新宿厚生年金会館・東京都庁・栃木県・福岡県・北海道・中国北京音楽庁で演奏会を実施。
数で換算すれば演奏会の回数は大小あわせても150回を越え、演奏を聴いてくださった方々は
1,000,000人に届くのではないかとも思われます。
各コンサートのほか、青嵐会見学者にも歓迎の意を込めて演奏を披露しております。
【練習時間】
・・・開所日の15時30分〜45分までの15分間実施しています。
【練習方法】
・・・ピアニカの場合、個々の能力に応じて「A・B・C」の3チームを編成しています。
それぞれのチームによって演奏の難易度は異なります。
課題曲が決定すると、1ヶ月は階名と絵譜を全員で歌って覚えます。
絵譜とは、各音階に設定された絵が載っている楽譜のことです。
例えば、「ラ」は“りん ご”、「ド」は“ヨット”、「ミ」は“きのこ”、「ファ」は
“くり”…といったように、利用者に配布する楽譜はもちろん、ピアニカの鍵盤にも絵の
シールを貼り、曲もこれらの言葉をつけて歌うことで、リズムや音を掴みます。
次に、各チームともピアニカを用い、個々に応じて練習していきます。
絵譜をみてピアニカを実際に演奏し、1小節ずつピアノと一緒に音を合わせます。
主に主旋律を演奏するB・Cチームと、絵譜を演奏するAチームの音が和合し、合奏の楽し
さやみんなと合わせることの感動を体験することが出来ます。
各チームの連帯感も生まれます。
このような過程を繰り返すことで、他の楽器の音を聴き、指揮者のハンドサインを見て演
奏することが可能になります。
どんなに障害が重くとも、日々の学習と経験によってリズム感は確実に育まれていくので
す。
こうして、約1年かけて一つの曲を仕上げていきます。
【課題曲】
・・・利用者や職員の意見などを取り入れ、1年に新しい曲を1つ集中的に練習しています。
平成28年度は、ホルスト作曲「ジュピター」です。
【レパートリー】
・アイ ライク エリーゼ ・SAKURA変奏曲
・TOMRROW ・鉄腕アトム
・エル クンバンチェロ ・宇宙戦艦ヤマト
・四季の歌 ・八木節
・北国の春 ・風になりたい
・ドナウ河のさざなみ ・アイネ クライネ ナハトムジーク
・いい日旅立ち ・世界に一つだけの花
・クシコスポスト ・チャルダシュ
・チャイコフスキー メドレー ・レット イット ビー
・負けないで ・ヘビーローテーション
・シルクロード&異邦人 ・花は咲く
・ラデッキー行進曲 ・ジブリメドレー
・ジュピター